思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

瀧夜叉姫(2)

伊藤勢
☆☆☆☆★

まずは、今まで「朧夜叉姫」だと思ってました(^^;)
それはおいといて、絵の力を優先する私としては、圧倒的な画力にやっぱり感服する。また、今さらながら、日本の現代幻想画家の巨匠・末巳純氏の影響が大きいなぁ、という事に気がついた。いやまあ、格好良くても、おいそれと真似できるほど、手が届くような絵じゃないんだけどね。それをど迫力の構図とともに描いてしまうから恐ろしい。
本巻序盤の大百足との戦いなんて、マンガ的超絶技巧の、集大成といえる。また、76、77ページの見開きの竜の巨大感と壮大さよ!
また「その拾」の最後の一コマの、正しく鬼気迫る貌! 168ページの、死相のようなホラー的筆致。悪夢の中の「丑の刻参り」の能舞台のような空間表現! 個人的性向として、和服美人好きなので、また違った「萌え」ポイントもあったりする(^^;)