思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

隠し砦の三悪人

☆☆☆★

あれ? 以前観た記憶と内容が全然違う(^^;) 私の記憶では、中盤に、岩山の間の山賊の隠れ家が焼け落ちるシーンがあったんだけど。何と混同してんだろう……。
本作は、合戦に間に合わなかった百姓二人の波瀾万丈のロードムービーにして、文字通りの、埋蔵金を持って、敵の国から逃げ出す、コン・ゲームでもある。そこへ、某国の姫君と猛将が加わる。確かにあらすじを書いてみれば、『スターウォーズ』だわなぁ。C-3POR2-D2とレイアとオビ・ワンだけで、肝心のルークがいないけど。
一難去ってまた一難の連続で、なんか「まだ続くんかい(いつ終わんねん!?)」という気分になる。
姫のセリフも、なんかたどたとしいし。もしかしたら、それもあって、道中は「唖」という設定にしたのかも……。もちろん、身に染みついた喋り方で、身分かバレるという設定は、申し分ない脚本の構成ではあるが。
百姓のふたりが、中違いしたり、金を持って逃げようとしたり、コロコロ気持ちが変わるのも、姫に感情移入したりすると、非常にムカムカするのだが、これこそ庶民的で、人間臭い、人間が描けた脚本だと言える。
火祭りの歌と踊りをたっぷり描くのも、クライマックスにダレ場を持ってくるのかと思ったが、ちゃんとラストの、姫の心情的な吐露をする動機・フックになっていた。
ところで、タイトルの表すものは誰のこと?? 悪人って誰もいないんだけど……。隠し砦にいた三人ということなら、姫、真壁六郎太と、志村喬演じる重臣のことだが……。