思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ユージュアル・ネイバー

☆☆★

原題は『THE HARVEST』。YouTubeサムネの「ラスト15分の衝撃」に騙されたな(´Д`)
足が悪く、(親の方針で)学校にも行けず車椅子生活を送る少年の家の隣りに、両親が死んで祖父母の家に引っ越して来た少女の、ボーイ・ミーツ・ガールもの。
ではあるが、少年の両親もどちらが主人公か分からないくらいの比重で描かれる。ただ、父親のほうが、『テイク・シェルター』の主人公だったおっさん。この人、フランケン役者でもいいくらい、顔が怖くて、私的には拒絶反応があるんだよなぁ……。
ジャンル的には、サスペンスで、ひとつの仕掛けを、真相を小出しにしていく事でミステリーにしているタイプ。この手の作品は、よほどキャストや伏線に魅力がないも、再見しようと思わないのが諸刃の剣で、本作は一度観れば充分なタイプ。
特に、冒頭の(ちなみに、本作にはタイトルは出るが、スタッフクレジットはエンドロールにしかない潔いタイプ)少年野球でケガをした黒人が、その後一切出てこないのに戸惑って、終盤になって巻き戻して確認したほど。

以下ネタバレ

いわゆる毒親ものかと思いかけていた中盤、遊びに来る隣人の女の子を追い返す母親が、次第に凶暴になるので、『ミザリー』をやりたかったのかと思わせて、そこにとどまらず、さらに突っ込んで行く。鍵のかけられた地下に、少年がベッドに寝ているのだ。

以下さらにネタバレ

両親の実子はこちらで、病弱な子の子を助けるため、医者である母親は、子供を誘拐しては(誘拐するシーンは最後まで一切ないのだが)、肝臓などを移植していたのだ。本作の主人公は、3人目だからしいのだ。原題の『THE HARVEST』はそれをよく表しているし、歩けない少年が窓から見て待ち侘びているトウモロコシの収穫のレッドヘリングにもなっているのに、こんなワケのわからん邦題になっている。