☆☆☆★
たぶん違うと思うけど、リュック・ベッソン製作と言われても全く違和感のない作品。なんとなく主演女優もベッソン好みな感じだし。
ロシアのバレエのプリマドンナが、怪我で病気の母親の面倒が見られなくなって困っているところに、KGB(?)の叔父から、スパイにスカウトされる。ロシアの女(男もそうかも)を西側の隠語でスパローというらしい。少なくとも作中では。そう、本作は「女スパイもの」なのだ。
R15なので、女スパイものらしい、忍法帖よろしく、ハニートラップを仕掛けまくるのかと思いきや、皆無ではないものの、ごく普通の映画でもあるレベル。それよりも、拷問シーンのほうが影響しているのかも。特に、生皮をはぐところは痛そうだった。その部分は直接見せないし、R15にしなくても、とは思ったけど。
スパイ養成所みたいなところで、ハニートラップの具体的な手口や、風俗店か?! という授業まであるのは、ホントかよ? と思った。ギャグなのか、真面目なのか、実在することを淡々と描いているのか、どれが正解なんだろう……??
CIAと会話するシーンで一部ロシア語は出てくるが、ほぼ全編英語というのも、ベッソンっぽい。これがロシア製作でロシア語なら、もうちょっと雰囲気出てたかも。『スパイ・バウンド』とか『裏切りのサーカス』ほどではなきが、『ミッション・インポッシブル デッド・レコニング』よりはスパイものしている。『ドラゴン・タトゥーの女』なんかに近いかな。ただ、2時間超えはちょっと間延びしてるかな。ちょっと格調高さを気取っているせいか。100分くらいで、タイトにまとめてくれれば、キレが出たんじゃないかなぁ。
以下ネタバレ
スパイものとしては定番とは言え、二重スパイになったのかなってないのか、というスリル演出は先述の拷問シーンと重なることもあって、クライマックスにふさわしい。
ラストに、上司に復讐するのも、スパイ・ハードボイルドもののお約束かな。