思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

カリフォルニア・ゾンビ逃避行

☆☆☆★

原題は『エイプリル アポカリプス』だった。本作には画面にチャプタータイトルが出るから、何がタイトルなのか分かりづらいんだよなぁ。
冴えない大学を出たての男が、友達以上、恋人未満のガールフレンドの元を訪ねようと家を出たところ、ゾンビたちに遭遇する。山の中で家族で暮らす親子や、レジスタンスや、そこで親友と再会したりしつつ、ガールフレンドの元へ(なにせファーストカットが二人で逃げている場面なので、ネタバレではない)。
本作のゾンビは、頭を吹っ飛ばさなくても、二、三発殴るだけて倒せる、ゾンビ映画界でも、最弱の部類かも。
主人公のモノローグが随所に入ってきて、必然的にメタっぽい趣もある。『ゾンビランド』ほどてはないが、割と近いテイストかも。行動パターンじたいは『ビッグ・バグズ・パニック』みたい。
この手の映画ではあるあるだが、親友が噛まれた時のやりとりは、湿っぽすぎず、なかなか良かった。また、その前に、森で会った親子の子供が女子大生っぽい年齢だが、彼女といい感じになりかけるも、あっさりとゾンビにやられるなど、DT向けの健全なゾンビ映画として好感がモテる。
タイトルの意味は、ラストに明らかになるのもシャレているが、それはネタバレ欄で。

以下ネタバレ

上述しなかったが、主人公のガールフレンドの名前がエイプリル。ゾンビ発生が4月(何月の出来事なのかは作中で明言されなかったんじゃないかな?)だから、と思わせて、主人公が最後に死んで、エイプリルがゾンビ化を防ぐ特効薬の名前も持って、旅立つところで終わる。本作の真の主人公がエイプリルだった、というわけだ。
この薬というのも、序盤で鬱的なやつだと家族にカウンセラーの元へ行くように言われて処方されていた、臨床試験中の抗鬱剤、という伏線だ。