思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ヘル・レイザー

☆☆

名前と、顔が針まみれの男のビジュアルだけは知っていたが、観たことはなかった。
ホラーということだったが、全然怖くない。ストーリーも雑。魅力といえば、特殊メイクだけ。いわゆるボディ・ホラーものに当たるのだろうか。
とある家に引っ越してきたら、怪我した血が床に落ちたら、男が復活してくる。それは引っ越してきた男の愛人だった。最初は骨に肉が少しついただけのゾンビみたいな外見なのに、そいつの命じるままに、男を連れ込んで殺す。ホラー小説ならありがちな展開だが、映画として、この展開に説得力を持たせるには、てんで説明/演出不足だ。
最初は『バタリアン』のオバンバみたいだったのが、少しずつ肉体が再生していくのは、まるで『インビジブル』の逆パターン。それをCGなしでやってるところに、本作の全てがあると言っても過言ではない。他にあるとすれば、悪魔の手下のゴシック趣味の造形だ。
ほんは、ホラーにジャンル分けされてはいるが、単なる悪趣味というか、グロ映画に過ぎない。隙の多さといい、日本のそれに近い。『ヒルコ 妖怪ハンター』とかね。

以下ネタバレ

ラストの、魔界への扉が開いたら、左右に扉がある暗い廊下が奥へ続いている、というシーン(美術設定)は、前に観たなぁ……。
主人公が魔界の使者たちを撃退するのも、これまた日本の特撮もの(大人向け映画や子供向けどちらも)で定番の、なんとなくやっつけました的展開でげんなり。
そもそも、キービジュアルでもある、顔が針まみれの魔界の使者は、てっきり再生した男がそうなって悪いことをし倒すのかと思ったのに。