思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ザ・キープ


☆☆☆★

宇多丸師匠言うところの「マン氏」つまりマイケル・マン監督作品だが、初期の作品らしく、ガンアクション映画という感じではなかった。
ジャンルは、「ナチスドイツ軍ミーツ超常現象もの」とでもいうべきか。ゾンビと会ったり、ちょいちょいあるタイプだ。デルトロの『』や、『イングロリアス・バスターズ』もそうかも。
冒頭のスダコフツにミリオタ的興味をそそられるが、あとはいちおうミニマシンガンとかは出てくるものの、映画的にあまりドイツ兵であることの意味はない。
山の僻村にある古代遺跡を守る神父と、その謎を調べる科学者、お宝を奪いたいドイツ兵たちの三角関係の話。
おはなし的には完全に深夜か、土曜の午後にテレビでやるようなB級アドベンチャーもの。とは言え、本作ならではオリジナリティもあったので、面白いかどうかバリバリともかく、観ても損はしないだろう。

以下ネタバレ

いちばん驚いたのが、本作が特撮映画、分けてもモンスター映画であったことだ。最初は超常現象的に、謎のビームで兵士を黒焦げにし、次は煙を吹き出しながら赤い目が光る不定形、最後は『進撃の巨人』の元ネタなんじゃないか、というくらいよく似た筋肉剥き出しのドクロ頭、という3段階で即物的になる構成もうまい。
中で、第二形態は、人間状に組んだスモークユニットから出る煙を逆再生しつつ、人間と合成しているのか? よく見ても仕組みが分からないのが凄い技術だ。