思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

インポッシブル


☆☆★

インドネシア沖の地震による津波に、アメリカ人家族がタイに旅行中に遭遇した、というややこしい実話を元にした映画。タイトルも原題通りだが、この内容でタイトルがラストに出る、というのはいかがななものか。むしろ津波に飲まれた直後にバーンとタイトル『インポッシブル』でしょ! としも『ミラクル』とかなら最後に出すのもわかるけど。
序盤、10分かそこらで、ユアン・マクレガーナオミ・ワッツたち家族は津波に遭遇する。
結構迫真のCGで、東日本大地震津波とかにトラウマのある人は観ないほうがいいかもしれない。
ただし、ひきのカットは、轟々とした津波なのだが、寄りのカットでは流れるプールくらいにマイルドで、水流の勢いが感じられないのは残念。まあ、危なくないように、という配慮なんだろうけど。子供もいるし。
濁流に巻き込まれる間に、水中にあるものでナオミが深手を追う。YouTubeなので、ボカシが入っていて、傷がエグいからなのか、女性の性的な部分に近いからなのか、分からないのが難点。
そこから大木に登って救助を待つのだが、傷が痛むので、絶叫しながらよじ登る。ここまでは吹替版で観ていたのだが、うめき声がヘタすぎて聞くに堪えないので、字幕版にスイッチ。調べたら、吹替もたくさんやってる女優さんだったんだけどなぁ……。
そこからは、ナオミと長男、ユアンと次男三男に分かれた家族がどうやって巡り合えるのか。要するに本作が「災害パニックもの」中でも「君の名は」的な、はぐれた家族が再会する物語。『デイ・アフター・トゥモロー』的というか。
良かったところは、序盤の大木に登るところからそうだが、現地人に救助される時に引っ張られるとき、治療の最強など、とにかくナオミが痛そうな演技がうまい。この手の作品を観ていて、大怪我してるはずなのにあまり痛そうじゃないやん、という不満はない。


以下ネタバレ


実話ベースということで、逆に、あり得ない状況なのに、再会するとこが見えているのがなんとも痛し痒し。
また、作劇的にも、会えそうで会えないという、すれ違いは無限に繰り返せるので、ひっぱり具合と、頃合いの見極めが演出の手腕。
で、本作の場合はややあっさり再会できたなぁ、という感じ。絶対にユアンがナオミのいる避難所に来ても、最初は会えないと思ったのに(^^;)
ラストシーン、助かった家族が離陸する飛行機から、津波の惨状を俯瞰で目の当たりするのは良かった。これが劇場なら、感慨深いところだろう。