思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パワーレンジャー

☆☆☆

予習として、90年代の映画もやってたので見ようと思って手を出したが、あたりにもショボい(スキップして観たクライマックスのロボ戦のCGも含め)ので、やめた。
本作は、日米および世界の戦隊ファン以外にも見せようという意欲という色気はぷんぷんに感じる構成で、おかげで一兎をも得ず、どでは言わないが、非常に中途半端なものになった。
ざっくりいうと『スタンド•バイ•ミー』プラス『トランスフォーマー』あとはリメイク版『GIジョー』? 何せ、まんま『インナナイ♪』とモロに歌が流れるくらいだから(´Д`)
ちなみに、歌物嫌いの私は、映画が既成曲らしき歌が流れるごとに減点するのだが、本作はこの点において酷かった。特に序盤は色んな曲の、さわりばかりが取っ替え引っ替え流れるし、さすがに後半はないかな、と思わせて、クライマックスにも流すんだもん(´Д`) (知らんけど)アメリカ版の主題歌っぽい「ゴーゴーパワーレンジャー♪」って曲も、これまたワンフレーズだけど辞めてしまう。いや、せめてこれだけはワンコーラス流さないとダメやん!?
戦隊ファンじゃない人にも見せようとする要素として、本作はいわゆる「エピソードゼロ」としての側面が強い。たまたま選ばれた5人の戦士は、3人が同じ高校の補習クラスの生徒。他の2人も、何故か戦隊ものとしてはお馴染みの石切場みたいなところに居合わせたハイティーン。彼らが変身し、初めて敵と戦うのがクライマックスなのだ。初めてで、巨大メカに乗り、ロボットに合体までをラストの30分に詰め込んでいるのだ。
メカは、明らかにマイケル•ベイ版『トランスフォーマー』以降のアレンジ。敵の巨大怪獣と怪獣プロレスするところは、『パシフィック•リム』の影響が大。ただし、フルCCなのに、敵の金ピカ(何せ純金製だからね)怪獣は、あまりのも人間がスーツ着ている体型なので、CGにしてる意味がないのが残念。頭部のデザインはなんか『グランセイザー』系だったけど。ちなみに、パワーレンジャーのスーツは、可もなく不可もなく、という感じ。
ネタバレもクソもないからオチを書くけど、決まり手が合体ロボによるビンタで、人間サイズの敵が宇宙まで飛んで行く(その結果、『ジョジョ』のカーズ同様に凍りつく)って、『アンパンマン』か「タイムボカン」じゃないんだから!?(´Д`)
本作では、宇宙船の変身セットに乗っても、変身できず、心身共に修行が必要となる。何日やっても変身できないのに、黒人が仲間の喧嘩を止めようと割って入ると、一瞬変身できるのだ。じゃあ、心がひとつになれば変身できるのかと、その後、黒人が敵に殺された(ホントに。その後、生き返らせてもらうのだが)時に、みんなが「自分の命を代わりに」と一致したら、変身できるのかと思いきや、できない。どっちかにしてくれよー(´Д`)
また、序盤で、変身アイテム&選ばれた将校としてストーンを持つと、スーパーパワーが得られて、崖を飛び越えられるかどうか、というお馴染みのシチュエーションとなる。今回、改めて思ったが、なんでこういう時、登場人物は、崖以外の場所で、何メートル幅跳びできるか試さないのか? それが無理なら、その場で思いっきり飛び上がって、脚力の向上具合を確認しないのか?
ちなみに、黒人が殺される前、焚き火を囲んで自分たちの身の上話しを打ち上け合う、というあまりのも型通りの「焚き火を囲むシーン」があるのには笑ってしまった(^^;)
なお、主人公はクリス•パイン似(クレジットはまともに見てないけど、たぶん当人ではないと思う)の、あまりにも典型的な軽いノリのアメリカ人、って感じがいけすかなくて最後まで好きになれなかっあ。

で、本作はイマイチな要素ばかりかと言えば、唯一、手放しで褒められるポイントがあった。変身するためとは言え、変身前に戦い方を特訓することだ。何の戦闘訓練も受けてない奴らが変身すると、筋力や防御力がアップするのは分かるが、柔軟性や格闘術まで身につけるのは、どう考えても理解できなかったので。そういや、スーツのほうに動かされるとすると、身体が固い人の場合、間接が外れたり、筋が切れたりするよなぁ……。
吹替版は、ピンクの人がヘタなのがノイズになった。