思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アバター ウェイ・オブ・ウォーター』☆☆☆☆

『1』のほうは未見のまま挑んだ。テレビでちょっとだけ(10分くらい?)見ただけ。
なので、人間家系やそれゆえの因縁がよく分からなかったが、まあストーリーはどうでもいいので、それほど問題じゃあない。
ナヴィ族の描写が、ほとんど人間なので、異世界感は良くも悪くも、ない。良い点は、世界中の誰でも感情移入しやすい、またそれ以前に感情が理解しやすい。悪いところは、実写映画版『キャッツ』と同じように、キモい亜人間にしか見えないところ。
本作ほど、観賞した環境(設定)が問題になる映画もないだろう。最悪なのが配信されてスマートフォンで観ることで、最高なのがIMAXかドルビーシネマの3Dとされている。私はノーマルスクリーンのハイフレーム3D吹替版で鑑賞。
まず、3Dによる、立体感に驚いた。USJとかの『ターミネーター』とかにあった、飛び出る感じはやっぱりないのだが、逆に『牙狼』とかにあった、単にレイヤーが3段階くらい浮いているだけだった感じもなくなり、確かに立体がある感じに見えたのには驚いた。
始まった当初はカメラが動くと3D酔いになりそうになり、これで3時間はムリ、と思ったが、なんとか慣れたので助かった(^_^;)
舞台が本編の本筋である海に移るのは、体感的には1時間も経ってから(´д`)
海に移ってからは、一気に画面も明るくなり、一皮向けた印象。そのレンダリング精度はすさまじく、どう見ても実写にしか見えない。特にナヴィ族のバストアップとかは、粗探しをしようとして見ても、特殊メイクをした人間が海に入っている(特に岩場のカットとか)ようにしか見えない。脱帽。
唯一違和感があったとしたら、水から上がった直後の、水滴が滴る感じとかは、ちょっとスパッと水が切れすぎているかな、というぐらい。
特に海洋生物のバラエティとリアリティは圧巻。でも、発光生物が多すぎるのと、ナヴィ族が乗るための生物以外は、地球の海洋生物の造形をいじった感じにしか見えない、デザイン的なオリジナリティがあまり見られないのが残念。これはリアリティと相反するところなので、難しいところだろうが。とはいえ、ストーリーを抜きにして、オリジナルの造形の超リアルな3DCG映像を見るだけでも、『ディープ・ブルー』や『アース』のような海洋ドキュメンタリー映画を見るのと同等の魅力があるのがすごい。
物語としては致命的な欠陥が2点。まずは、家族を人質に取る、という展開が2度もあること。1回に済ませろよ!
次に、主人公たちが狙われるのの巻き添えを避けるために森から出たのに、身を寄せたところで結局巻き添えになってその部族のみならず他の海洋アバター人部族にも大損害を与えたのに、結局そこに止まる、って、森から逃げた意味が全くなかったってことやん(´д`)
あとは、先に主人公と書いたが、よく言えば群像劇スタイル、悪く言えば主人公が誰かよく分からないほど焦点がボケているというか、複数のキャラに尺を割いているので、物語的に乗れない。『1』を見ていないので、悪役である大佐が主人公かと思ったほどだ。