思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

サイド・エフェクト

☆☆☆☆

原題も同じなのだが、そもそもどういう意味の熟語なのかがわからない(^^;) 調べたら、「副作用」というのが第一義らしい。
会社の金をどうにかして冤罪またはネズミの尻尾切り的に刑務所に入っていた夫が戻って来たのに、浮かない顔で、自殺しようとしたり、鬱病の薬の副作用で夢遊病を発症した主人公。
精神的に不安定な女性を描いたソフトストーリーかと思いきや……という話。
予想外の展開で、サスペンスとして普通に面白かった。主人公も魅力的だったし。

以下ネタバレ

タイトルだが、最後まで観ると、主人公および観客の知らないところで展開していたことが、主人公の身に降りかかって来る、ということから、「もう一端からの影響」つまり「不慮の一撃」というニュアンスも込められていそうだ。敢えてカタカナ邦題にしているのもそのためで、序盤の展開からは『めまい』ならぬ『鬱』とかいう邦題でもいいくらいだから。
中盤で、主人公の前の精神科医としてキャサリン・ゼタ・ジョーンズが出てきたあたりで、めちゃくちゃ怪しいと思ったら、やっぱり、という展開。
本作が面白いのは、前半は鬱病女性が主人公なのだが、彼女が夢遊病下で夫を刺殺した裁判で、精神病だから無罪ながら、精神病院での治療入院。そこで、事件は解決かと思いきや、クライエントがそんか事件を起こしたことで努めるクリニックを解雇されたり、妻子が出ていったりして、納得いかない主治医が、探偵となって、事件の真相を探る、真の主人公として立ち上がって来る2部構成だ。
そういう意味で、本作は、上質のミステリーといえる。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズも、やっぱり共犯というか、ほとんど主犯だったわけだが、レズ関係までやるか、って感じ。出番は多くないながら、意外と体当たり演技である。