思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

続・荒野の用心棒

☆☆★

CSの「ムービー・トーク」版。初見から副音声かつながら観(^^;)
原題は『ジャンゴ』で、主人公の名前。副音声が『映画秘宝』の記事なみに勉強になる。本作は、マカロニ・ウエスタンの代名詞みたいな作品で、「マカロニ・ウエスタン=ジャンゴ」と言ってもいいくらい。カンフー使い=ドラゴンと似たような、固有名詞が代名詞(普通名詞)化したようなものらしい。
棺桶を引きずって、中にはガトリングガンが入っている、というのは、『トライガン』でモロにパクられてるしね(あっちは十字架だけど)。
主人公が泥だらけで、西部劇なのに英語じゃなくてイタリア語? を喋っていたり、泥や底なし沼があったりするのは、黒澤の『七人の侍』からの影響だろう。そんな焦茶色の地面に、赤い衣装が映える色彩設計は見事(屋内はフィルムが古いせいで、それほどでもないけど)。
東映の時代劇ばりに、いろんな連射式の銃で、人がバタバタと倒れてゆく(時代劇のように、血のりも出ずに、文字通り倒れるだけ)ヤケクソ感もいい。
このテイストは『片腕マシンガール』とかに引き継がれているのかもしれない。もちろん、タランティーノや、『マチェーテ・キルズ』とかね。

以下ネタバレ

無敵の主人公が悪者をバッタバッタと倒すシンプルなストーリーかも思えば、ヒロインが終盤で死んだり(実は生きてたんだっけ??)、主人公の両手を乱打されて血まみれになったりと、ヤクザ映画顔負けのエグい展開もあったり、先の読めない、プロットの密度が濃い作品でもある。