思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

名前のない女たち』☆☆

原作は、タイトルに女優名がつかない、企画ものAVに出るAV女優を中心に、女優たちの素顔を追ったノンフィクション・ルポ。
当然、映画もドキュメンタリーか、それを元にしたオムニバス、はたまた複数うのエピソードを1つにまとめる、かと思いきや、そうでもなかったと思う。
一応、3人くらいのAV女優が登場するが、原作とは何も関係ないんじゃないの? それこそ原作レイプか、もしかしてたまたまタイトルが一致しただけでのいわゆる同姓同名もの(言わないか(^_^;))か、海外映画の邦題のような売るための便乗商法か?
主人公は、何の取り柄も花もないようなOLで、AVにスカウトされ、ふと魔が刺して(?)やってみようと思い、最初の現場でのノリというか、流れでアニオタキャラになってしまい、それを通す。そんな、それこそアニメみたいな女優は原作にはいないでしょ?
AV業界の内幕、という意味では『18倫』、普通の女性がAVに出たことへの葛藤は『最低』とかの方がしっかり描かれており、せっかく多数のAV女優を取材したノンフィクションを原作にした意味が全くない。
物語も、中盤と終盤にサイコ野郎が主人公の人生をめちゃくちゃにする(中盤はOLしている会社に押しかける、終盤は、AV撮影現場で出演者を無差別殺人する)という、幻想的な話だし。邦画にはありがちな、リアリティのない展開だけど(´д`)

2010年 日本