思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スクリーマーズ

☆☆☆★

情報ほぼゼロで観た。決めては、ダン•オバノン監督ということくらいだったかな??
なんとなく『トレマーズ』の亜流みたいだと改めて思ったのが、冒頭に、灰色の砂漠のようなところの地面が砂の航跡を巻き上げて何かが人間を襲うこと。
撃ってみれば、機械仕掛けの何からしく、それがスクリーマーズ。
ロボジョックス』的な、核戦争後の世界で生きる、とある基地の軍人が、司令部へ向かって歩くとい話。その過程で、世界の秘密や、スクリーマーズの真の正体が明らかになる。
主人公は『ロボコップ』のマーフィー?? ちょっと感情移入しづらい強面だ(^^;)
マットペインティングを使った荒廃した世界背景が、いかにも80年代っぽくて懐かしい。
低予算かと思いきや、墜落した飛行機(『ノウイング』みたいなジャンボジェットではなく小型機)のセットや、ラストの脱出艇など、妙なところに金がかかっている。特に旅客機のほうはSFチックなデザインでも何でもないのに。
スクリーマーズの形も、序盤では何故かやっつけた後のバラバラ状態だけしか見せてくれず、ちゃんとデザインが分かるのは中盤の、基地に入ってから。なんとなく『ゼイラム』に出てきたようなゴシック風味のストップモーションアニメでの合成。
別の基地では、友軍の三人と合流する。その前に、子供を連れて行くことになるのだが、これがスクリーマーズの第三世代型。人間の基地に潜入して、内部で破壊活動を行う、ホラー映画でしか見ないような鬼畜仕様だ。どこかで観た設定だけど、すぐ思い出せない(^^;)
話を戻して、友軍の中には女性もいて、裸のシャワーシーン的な場面もあるのに、首元から下は一切見せない。潔い! これぞ正しいSFファン。お色気なんかには頼らないぜ、という表明である。その割にというか、そのための免罪符としてか、キスシーンはけっこうあるけど。このヒロインにはあんまり魅力を感じないので、ムラムラしないのもマル。

以下ネタバレ

ミステリー的な味付けとして、抜けている第二世代型はどんな形状なのか、ということで『デビルマン』的な疑心暗鬼が生まれる設定が上手い。ただし、どいつも胡散臭いし、ヒロインには魅力がないし(でも、主人公はぞっこんだけど)で、誰がロボでも驚けないのが玉に瑕(^^;)
オチも単なるハッピーエンドで終わらせないところなど、頑張って観客の心に爪痕を残そうとしている脚本が見事。