思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

レッド・スネイク


☆☆☆★

イスイス団、人呼んでイスラム国が暴れている中東で、虐げられ、弱者とされていた、女ばかりの軍隊があった。そんな事実を元にした作品。
作中でも、イスラム語と英語が混在している(らしい。字幕版での印象)。
原題は読めなかったが、女だけの部隊で、それぞれがコードネームをつけるが、主人公か自分でつけたのがレッド・スネイク。
女性部隊としか書けないので補足すると、別にシリア正規軍の一部ではなく、民兵といか、私兵というか、ゲリラというか、よく分からない。ちゃんとキャンプとかくんれんじょもあるが、武器は手持ち火器レベル。車両は中東でお馴染みのピックアップトラックだが、これはイスイス団も同じだし。
イスイス団に親を殺され、弟を拉致され、主人公は幹部の女奴隷にされる。前半は脱出するまで。それと並行して、『ベイビーわるきゅーれ』ばりに能天気な女の子友達が女性部隊に入って訓練するストーリーが交互にえがかれる。後半は主人公が脱出し、たまたま女性部隊に助けられたので部隊に入ることになる。
主人公のほうは、尺の都合で省略したのかもしれないが、特に訓練したわけでもないのに、足手まといになることもない。
設定だけ聞くと、実写版『レア・ガルフォース』みたいな内容を期待したのだが、そういう爽快感はあまりない。あ、そういや、ほとんど忘れてたけど、あっちにも爽快感はなかったか(^_^;)
女性なので、捕虜になったりでもしたら悲惨なことになるのだが、そういうシーンはなく(あくまでも実話を元にしているので?)、拳銃の弾丸は1発残しておくこと、とか、自決用に手榴弾を使ったりと、ちゃんと対策している。
訓練シーンで、歌もの曲がBGMとして使われたり、みょうに陽気なところと、ホモソーシャル的な仲間意識とか共存する作品。

以下ネタバレ

主人公を買って犯したイスイス団の部隊長をたまたま中盤に捉えて、復讐(殺害)するのだが、その後に特に因縁のない幹部の一人をやっつけるので、映画的な盛り上がりには欠ける。そこはウソでも、幹部と一緒に居させて、幹部を殺している裏側(カットバック)で復讐を遂げるシーンを入れたら良かったのに。