思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 栄光のヤキニクロード』☆☆☆☆

『戦国大合戦』の後に観たが、その時の感想は「ダメダメ」だった。ところが、今回観返したら、めちゃ面白かった。そもそも、中盤の、公園に野原一家が潜むシーンまで、内容をほぼほぼ忘れていたくらい。
まあ、野原一家が悪者軍団の群衆をバッタバッタとやっつけるシーンはあまりにも有り得ないと思ったが。
しんのすけが風間くんの補助輪つき自転車を借りて(これは「待て、足がいるだろう」展開やね)、補助輪が取れて、自転車が乗れるようになり、そこからアクロバティックで、追手の自転車ロードレース軍団を振り切るのが、フィクションとしてギリギリの許容範囲かな。
序盤の物語の本筋である、野原一家が指名手配されたテレビ放送を見て、一般市民が恐れ慄くのはいいとして、幼稚園の先生たちや、となりのおばさんたちが極悪人として恐れたり、懸賞金目当てに捉えにくる、というのはちょっと納得できない。ここが本作の脚本的にいちばん問題のあるところで、ここだけはなんとかしてほしかった。凶悪犯のほうはなしにして、懸賞金だけにするとか。そのあとで意を決して交番に駆け込もうとするが、指名手配の看板を見て入るのをやめた、というのもおかしい。だって指名手配が報道されるくらいなら、先に少なくとも県下の警察署には連絡が回っているはずだから。他の県のど田舎の駐在所、とかならともかく。
敵の一人である小男のほうは、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の天邪鬼みたいで、敵のボスのバンドシーンとかは、背景のギタリストとか、なんか押井守の絵っぽかったなぁ。
ギャグカットも、突然しんのすけが『ドラゴンボール』のトランクスみたいになったりと、楽しい。
絵柄としては、けっこうバラツキがあったが、まあ子供にはわからないレベルかな。子供は作画スタッフが違うとか知らないだろうし。
フード演出も、ラストカットを「いただきます」のセリフだけで締めるところといい、よくできている。