思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『潜水艦ろ号未だ浮上せず』☆☆☆★

(100%じゃないけど)これもまた「潜水艦映画に外れなし」だ。
ミリオタ的にも、ミニチュア特撮やセットだけでなく、戦時中のフィルムも使われており、興味深い映像もいくつもあった。タンクブローのバルブ操作が手動だとか、甲板上の砲(ドイツの88ミリ砲みたい)を操作するセット撮影とか。
南海の孤島に物資を運搬する際には、カッターじゃなくてゴム袋につめたものをふんどし一丁で泳いで押してゆくとか。
しかし、ミニチュア特撮って、解像度が洗いからこそ成立した、という側面があるよなぁ。
「あとロク」の「細かすぎて伝わらない映画の表現特集」であった、「自分の足の速さを過信する」のが、本作の時点でもあったのには驚くやら呆れるやら(^_^;) でも、微妙に間に合わず、思い人には会えない、という絶妙な演出。それは、中盤で、敵の砲火が始まり、一人だけ遅れた兵士(医師)を待たずに潜航する、というシーンでも現れている。待った上に誰もしなない、なんてご都合主義な展開なら、バカでも作れるからね。
まあ本作の場合、(史実を元にして?)主役の潜水艦が撃沈される、というラストあってのそれまでのプロットなのだろうけど。

1954年 日本