思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『乱気流/タービュランス
☆☆★

10年以内の作品のようなイメージがあったが、80年代?? 少なくともそれくらい古臭い画面だった。
一見パニック映画かと思わせて、実はサスペンスまたはホラーな中盤から、最後は定番の危機回避で決着。
冤罪で捕まったかと思わせて実は殺人鬼、というのが本作の眼目か。
本当の主人公はスチュワーデス。
とはいえ、明らかにコックピットから出て行ったらダメな時に出て行ったり、その割に最後は(肝が据わったという展開にしたいんだろうけど)必要以上にしっかりしちゃったりと、支離滅裂な感じも。
中盤が秋からにホラーになっているぶん、浮いているというか、観客はどういう位置付けで作品を捉えたらいいのか困惑してしまう。特に殺人鬼が乗客・乗員を乗務員室に押し込めるシーンがよくわからない。そのあたり20分くらいをバッサリカットすればわかりやすくなったのになあ…。
いや、そもそもジャンボジェットに乗員5名+囚人と警護の警官6人、なんてことがアメリカでは普通なの?
映画として描ける範囲、というのは分かるが、それにしてはそれほど描き分けや、役割分担として必要な配置、という感じもなかった。
着陸シークエンスでなぜか日本人らしきパーティーの場面がコメディ的に挿入されてたりして、このあたりもバブル期の影響?(日本市場を意識)と思わせられる。
スチュワーデスが同型で近くを飛んでいた飛行機のパイロットから操縦方法を教わる、という状況なので、視聴者にも飛行機の操縦方法がなんとなく分かるのが嬉しい。当時から着陸までオートでできたんだね…。
婚約者に裏切られたスチュワーデスが、最後にその機長とのロマンスを感じさせる終わり方が良かった。その機長が嶋田久作ばりのハンサムとは対極な渋い顔だったのもニクイ。

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ハピネット・ピクチャーズ 2005-07-16