思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ヴァイレット・エヴァーガーデン 特別編集版

☆☆★

テレビシリーズは7話あたりから観たが、イマイチだった。改めて観たら、評価が変わるかな……と思った。世間の評価が高すぎるから。
でも、やっぱり同じだった。
まず、作画のクオリティについては言うことなし。完全に映画レベルで、これがテレビシリーズで制作されたことに驚異である。
あとは、良し悪しを箇条書きに。
ヴァイレットの名前は、少佐がつけたことが分かったが、瞳の色とか、着ていた服にちなんだものではなく、たまたま近くに咲いていた(目についた)すみれの花から、って、テキトーすぎ。そんなのに愛着を抱くヴァイレットって、悲しいね……というとこまで含んだ設定なのか?
ヴァイレットが14歳ってホント? 少佐に拾われた時にそれくらいで、代書屋になった時は二十代半ばにしか見えない。リアル志向じゃないとはいえ、キャラデザインの欠陥じゃないか?(いや、キャラデザインそのものは大好きだけど、年齢設定的に)
アフリカなどの貧困国で問題になっている少年兵問題を、無自覚に描きすぎ。まあ、このへんは『鉄血のオルフェンズ』とかも一緒だが、日本アニメの良くも悪くも伝統だけど。
ヴァイレットが、朴念仁だったのに、作家のクライアントに説教するまでになるのは飛躍しすぎかと思ったけど、テレビシリーズでは、その間に数話あったらしいので、これは酷な話か。
作品の構造的に、ヴァイレットの成長と、クライアント(精神医学的にクライエントというべきか)の救済をどちらも描こうというのが、そもそもかなり際どいつくりなのだ。普通なら、『花材の人』の裁判官のように、メンターとして完成されている人を主役に配置するものだ。それでもあえて主役の成長を描きたいなら、刑事もので、バディとなる先輩刑事のような人生の先輩が近くにいるもの。ところが、本作ではヴァイレットの師である少佐は過去に死んでいるし、現在の庇護者である