思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

刑事コロンボ かみさんよ安らかに』☆☆☆★

見終えてみると、見たことあるような気がする。まずは、コロンボのかみさんの葬式、というところから始まるのも異例だが、回想シーンが主体、というのも異例。葬式に重ねて、犯人の回想が始まり、次には共犯にされてしまった男の回想になるのだ。もちろん、最後には葬式に続く現在パートで終わるのだが。
コロンボの恒例の犯人を騙す仕掛けだが、今回はなかなか大掛かりで、ちょっとやりすぎじゃないの? と思わなくもない。
犯人の動機については、理解できなくもないが、いくら疑われているとはいえ、コロンボのかみさんまで殺そうとするのは行き過ぎで、おまけに最後に勝ち誇ってベラベラ喋るシーンに至って、同情の余地がなくなる。

以下ネタバレ

一度も出てこないのに、シリーズのレギュラーと言っても過言ではないコロンボのかみさんを殺すわけない、と思ったら、やっぱりフェイクだった。葬式自体が「ドッキリ大作戦」バリの大仕掛けで、神父から葬式の参列者全員に至るまでが仕掛け人なのだ。その上、そのあとでコロンボの家に犯人を誘う、その家すら部下の刑事の家。そこにあるのは犯人から送られた毒入りマーマレードと同じブランドの、コロンボが買ったもの。さらには葬式に使われていたかみさんの写真(画面には映らない)は妹の写真だし、かみさんが家で風邪ひいて寝ていたのは本当だ、という大小取り混ぜたツイストの連続。
単発ものミステリーならいいが、コロンボというシリーズにおいては、ちょっとやりすぎだと思わずにはおれない。