思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

三体2(上)

☆☆☆☆

これまでのは導入で、ようやく本編、という感じ。400年後に襲来する三体艦隊への対抗策が、国連を中心にした、全世界レベルで行われてゆく。中国SFとしての特徴は、中国独自に宇宙戦艦を作ることと、4人の面壁者のうち、キーとなる1人が中国人であることくらいになる。
面壁者という設定が面白く、智子という、コンピュータを占拠できる三体からの情報兵器により、人類の電子情報が筒抜けになる事態に加え、三体人は、思考が読めず、嘘もつけないため、対抗作戦を立案する人物は、外面に一切、思考を表してはならない、また、言動は常に裏があると他者には捉えられる。これが全世界的に周知させられる。これ、どこかで観たと思ったら、『忠臣蔵』で討ち入りの意思を吉良方に悟られないように山城で遊び惚ける大石内蔵助そのものじゃないか(^^;)
あとは、核兵器は、真空の宇宙では、衝撃波が発生しないからほぼ無力だとか、という科学トリビアも面白い。