思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エヴァンゲリオン(14)

☆☆☆☆

内容としては当然、『Air』を踏襲している。映画ではほぼ会話がなく、シンジのモノローグと、字幕が観客に問いかけるかたちでしかなかったものを、綾波とシンジの対話、というかたちにし、なおかつテレビシリーズの企画書にもあったがテレビシリーズでは一切触れられなかったまんまの、人類補完計画について説明してくれるので、非常にわかりやすい。
『シン・エヴァ』を経た今なら、『Air』で描きたかった人類補完計画はほぼ理解できるが、それが溜飲を下げるものかどうかは別の話。最大のひっかかりは、なぜ、シンジに計画全体をキャンセルする権限というか、能力があるのか、ということだ。綾波は、それこそ天使(神の使い)として、全人類を迎えに来ているので、役割は明確だが。全人類に対した、1人でも反対する人がいたら計画は成就しないことになっていて、その最後の1人がシンジだってこと?
それとも、ユイとかゲンドウとか、エゴ丸出しの個人を実行ユニットにしたために、淡々と計画を進めることができなかった、ということ?