思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ムカデ人間』☆☆★
ちょこちょこ「メチャ酷い映画」だという評判を見聞していたので、観たかった。
これは「出オチ」ものやな(´д`)
パッケージや予告編、本編でもマッドドクターが誘拐者に手術の説明をしている時点がピーク。そこからは大したことは起きない。ごくごく普通のサイコもの。
要するに、異常者に拉致監禁されたところから、命がけで脱出できるのか、という映画にすぎない。
犯人が間抜けだから、脱出できたり、刑事に逮捕への足がかりをつけたりする。
本作のオリジナリティはムカデ人間という発想にある。人間の口と肛門を縫い付けて、3人を文字通り一体化してしまう。もうバカというかアホというかキチガイというかイッちゃってるアイデア。ただ、そのトンデモ設定に説得力を持たせるために、シャム双生児手術の権威で、ご丁寧に人間にやる前に犬で実験し成功している、というサイコ犯人のプロフィールをでっちあげた無駄な努力には感心した(^_^;)
口周りを切るのは分かるが、尻の横を切るのはイマイチ理由が分からなかった。融合しやすくするため? 膝も同じ。立って歩けないようにするため??
一番がっかりしたのが、せっかく口と肛門を結合する、という狂ったビジョンなのに、そこは最初から最後まで包帯を巻いて、見せないのだ(´д`) 一応、激しく動くと傷口から血が滲む、という「分かってる」描写はあるのだが。
そもそも肛門からしか栄養を摂取できない2番目以降の人は、どう考えても栄養失調になるでしょ? 特に水分が完全に足りない。まあ、この映画に真面目に科学的ツッコミを入れるのも無駄な行為だが。
主人公は白人女性2人だが、被害者の一人が日本人男性。本物の日本人を起用していて、喋っているのは完全に日本語で、間違っていないのだが、ちょっとのべつまくなしに喚いていて、鬱陶しい。一番映画に乗れなかったポイントは実はそこかも(´д`)