思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『見えない目撃者』☆☆☆☆

同名の韓国映画を日本でリメイクしたらしい。こういう成功作があったのに、なぜ『キューブ』という駄作が生まれたのかなぁ(´д`)
それはともかく、盲人が事件の目撃者、という設定は、ミステリーとしては意表をついた設定で面白い。犯人特定の決め手となる手がかりが臭い、というのも上手い。
とは言え、殺人犯を追い詰めたり、追い詰められたり、揉み合ったりするのに、いくらなんでもリアリティがない。それを補完するために、元警察官で、失明してから数年経って、目の見えない生活にも慣れた、という設定にしているのだろう。とは言え、執拗に女性拉致犯人を追うには、自分の運転する車で死なせたのが弟ではなく、娘とかにした方が良かったのでは? この辺は韓国のオリジナルもそうだったのか、気になるところではある。
時折描かれる、主人公視点(見えていないので、触覚のビジュアルイメージ)として、線画で輪郭が浮き出るように出てくるのは面白かった。けど、実際は、手を触れた周囲にぼやけるようにマッピングされる、という方が近いのでは??(実際に盲人に聞いたわけじゃないので知らんけど)

以下、ネタバレ

連続殺人のサイコもの、という意味では『セブン』『コレクター』などが思い浮かぶ。犠牲者の身体の一部を切り取る儀式はいいとして、六根清浄に基づいて、ってのはいただけない。仏教や神道の思想からは、連続殺人には至らないでしょう。『鉄鼠の檻』なんかとは違って、実に表面的な宗教知識しかない人が作るからこうなる。
まあ、理由なんて映画的にはどうでもいいけど。
そこの死体の描写がリアルだから、R指定になっているのかな。死体発見あるいは検視現場や捜査会議では実際にこういう状況なんだから、グロのためのグロではなく、リアルだと思う。むしろ、犯人が刑事を包丁でじわじわ脳天をかち割るあたりがショッキングホラーならではのバカバカしさ(^_^;) 刑事のくせに、一人でノコノコ出向いて行って返り討ちに会うが、犯人も警官なので、そこは基礎体力がある、ということでギリギリオッケー(^_^;) でも、民間人と一緒に踏み込むアホはおらんでしょう。連続殺人の被疑者宅なんだから、応援を待ってから踏み込むだろう。刑事が田口トモロヲなので、途中で殺されるのも無理ないかも(^_^;)

2019年 日本