思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

天使のたまご

再見。やっぱり何が何やらさっぱり分からない上に、面白くない。
Youtube「ときわあぱーと」での解説動画の助けで、何が何を表現しているのかは分かったが、それでも良しとは思えない。
https://www.youtube.com/watch?v=FWQp6foxUUs&list=PLHCRV-66FbX9XwU3QLjU-fGIvy4T45PO0&index=2
まず、象徴のモチーフとしているのがキリスト教だということ。
大多数の日本人にはまず分からないし、世界をターゲットにしているとしても、相当キリスト教学に詳しい人じゃないと無理だろう。
これ、よく言えば芸術的な、高尚なテーマを扱っている作品といえるが、悪くいえば大多数うの観客であるはずの日本人に理解されることを期待していない、マスターベーション、自己満足では?
テーマはのぞいても、映像作品として楽しめないことがいちオタク的視点でも致命的。
かろうじて天野喜孝の繊細な髪の毛のイラストが動いている、というところはアピールポイントではあるが、それだけ。
背景は地味(暗い)し、音楽も川井さんじゃないこともあって、特に味わいがある、というわけでもない。テンポもないに等しいし、ほぼ全編ダレ場、というくらい眠たい。
こんなのを、独力でできるマンガや小説ではなく、多数のスタッフを使って表現するアニメという媒体でやってしまうのってどうなのかなぁ・・・。ちゃんと資金を回収した(スタッフに給料を払った)のなら、大人的には責められるもんじゃないんだろうけど。
また、二度見ても、ラストで主人公がいる大地が船の形をしている、というのが分からない。要するに『ビューティフル・ドリーマー』と同じことなのだが、絵として、あれば葉っぱ(船)の形をした大地である、と見えない(絵が下手、または構図が悪い)のは致命的では? 虚無の中に葉っぱの形がある、または海の中にその形の大地が残っている、としか見えないのだ。

似たテーマのエンタメ作品が(押井原案または押井遺伝子ともいえる弟子筋の)神山健治サイボーグ009 リ・サイボーグ』で、映像的見所を満載にしたのが『イノセンス』って感じかな。