思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

伊藤康浩『就業規則の落とし穴がわかる本』

「労働契約法第4条(略)2.労働者および使用者は、労働契約の内容(略)について、できるかぎり書面により確認するものとする。」

労働基準法の使用期間
 採用日から14日以内
 解雇予告あるいは解雇予告手当が不要な期間」

労働基準法では労働条件の不利益変更禁止という規定があり、一度決定した労働条件を簡単に引き下げることはできません。」

「代休:業務の都合で休日に労働させた代わりに、ほかの労働日を休日として与えることです。
振替休日:業務の都合で本来の休日に休むことができないときに、別の日と休日を振り替えることです。」

「年休の取得は労働者の権利に属するものなので、原則として自由に取得できることになっています。どんな理由でも認めなくてはいけませんし、そもそも年休申請に理由はいりません。」

「ベースアップとは、賃金テーブルが、物価の上昇や企業業績の向上によって上方修正され従業員全員の給与が一律にアップすることをいいます。それに対して定期昇給とは従業員一人ひとりの人事考課の結果に基づく昇級のことをいいます。」



角野久史・米虫節夫編『食品衛生7S活用事例集3』

特に引用なし


弘中泰雅『ムダをなくして利益を生み出す食品工場の生産管理』

作業改善については、いわゆるトヨタ式は大規模機械工場向け、『…トヨタを忘れろ』でも中小企業向けではあるが機械工場が主眼とされている。本書は食品工場向け、ということで期待して読んだ。

中盤までは、外部から見た、いわゆる論文的に書かれているので直接活かせる部分は少ないが、最後の事例集はある程度参考になった。

「固定費は事業規模が大幅に変わらない限りほぼ一定である。従って考え方としては、利益を上げるには限界利益率の高い部門の売り上げ比率を増やし、限界利益率が低い部門の売り上げ比率を減少させればいい。」

「部門別業績管理段階
1.生産情報
2.変動費の算出 材料費(略) 外注費(略)
3.月末在庫の算出(略)
4.労務費と経費の按分(略)
5.管理・販売費の按分(略)
6.金利の按分」

「食品製造業の生産性は、製造業のなかでも最下位クラスであり、その原因が製造業平均の12年に比べて、8年しかない勤続年数によるものであることは、間違いなさそうである。食品製造業の従業員の定着は、極めて憂慮すべき事態だと考えられる。食品製造業では定着を促し、勤続年数を延長し、人材の育成に真剣に取り組み、労働の質を向上する必要があることは間違いない。」

「低生産性業種食品工場の生産性向上のためには、以下の工場改革が必要であると考えられる。
(1)現在の作業の仕方をもう一度見直し、効率的な標準化した方法に改め、周知させる。
(2)一人完結作業はないか、分業により作業の効率化を図る。
(3)機械化、自動化できるところはないか。
(4)必要に応じて、有効な治具の導入・設備の改善なども検討する。
(5)手空き、手待ちのない効率的スケジュールにより、メイクスパン(工場稼働時)を減少する。
(6)段取りを効率化して、段取り時間を削減する。
(7)効率的な生産スケジュールによる、時間毎の仕事量に対する必要労働量を算出する。
(8)時間毎に必要労働量に見合った労働量を供給できる勤務パターンを作成する。
(9)無駄な作業はないか、IEやORを駆使し作業を改善する。
(10)レイアウトを改善し、無駄な作業や運搬を省く。
(11)平準化、同期化、整流化をはかる。
(12)常にローコストオペレーションの意識を持ち工場運営をおこなう。
(13)機械設備の保全管理を確実に行う。
(14)社員の教育・トレーニングを充実する。
(15)IT導入とそれを可能にする組織資産・無形資産(インタンシブル・アセット)の充実を図る。
(16)社員満足度をあげ勤務年数を伸ばし、労働の質を高める。」