思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

加筆版
『fly play』霞流一
☆☆☆☆

なんともネタバレなしで説明しづらい内容だ。
作中のテーマも演劇/舞台だが、記述方式自体もそのものではないにせよ、脚本テイストの簡潔な文体。会話文も辻真先っぽいところもあるが、舞台演劇の会話のやりとりをイメージすると入り込みやすいだろう。
構成としては、誰かが誰かを騙す為の台本と演技が連鎖していく。その意味では全編が推理合戦とドンデン返しの連続と言っても過言ではない。
とは言え、終盤までは予定調和的に演技で相手を騙す倒叙もののように見えるので、少々まだろっこしい。しかし、その間も軽妙な会話やミステリの蘊蓄で飽きさせないのはさすがだし、この中にも伏線が仕組まれているので、「あれはどうなったの?」とか、人が死んだくせに深刻さが全く感じられない、という不満点も最後には(ある意味では)すっきりする。あくまでも舞台演劇のイメージだから、死者も「殺された役」なだけ、というニュアンスも含まれている。
これ、丸ごと舞台化してほしいなあ。


あと、「、」であるべきところが「、、」になっていた、という単純校正ミスはともかく、漢字の「二」がカタカナの「ニ」になっていた箇所が複数あったのは見過ごせない問題。これはトリックの伏線に違いないと思わされた(`ε´)


弘中泰雅『モノと人の流れを改善し生産性を向上させる!食品工場の工程管理』

「5S自体を目的にすれば時間経過につれ活動は低調化する。生産性向上や異物混入防止などの目的のために5Sを活用することが大切である。」
原文は8S。

「すぐに修理をしていたら簡単に直ったであろう軽微の故障が、放置したために結果として多額の修理費を要してしまったのである。(略)対処しなかった作業者が勿論最も悪いが、(略)経営者や管理者が故障や出費のいる申し出に対してどのような対応をしているかである。従業員は、申し出て小言を言われたり、責任を追及されたりするぐらいなら、黙っていた方がましだと考えていないだろうか。早めの対応が出来れば出費も少なくて済む。」

「改善推進者は教訓として以下のことを忘れてはならない。
?作業者は、作業方法ではなく自らが批判されたと思いがちであるから、改善を行う場合は作業者の心情に気を配らなければならない。
?作業者は、現状は過去の努力の賜物と考えるため、現状を否定されると自らの努力を否定されたと考えてしまう。
?作業者の努力を認め、改善案を提示する時は命令や指示口調ではなく、常に皆に対して丁寧に共感を持って伝えることを留意する。
?自分の知っている事は、誰でも知っているはずだと思い込んで、説明を省略してはならない、分かり易く丁寧な説明を行う様に留意する。
(略)何を改善したいのか、組織の人から共感が得られることが、改善活動の基本であることを忘れてはならない。」