思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『軍神の血脈』高田崇史 ☆☆☆☆★ 講談社ちょっとカバーが恰好良すぎる気もするが、それに負けず劣らずの内容。特に『QED』シリーズと変える必要もない、高田史観だが、作中でも引用されている井沢流の逆説史観でもある。 それに則って『太平記』や楠木正成伝説…

『GHQの日本洗脳』 ☆☆☆☆★本書を読めば、現在の日本が抱えるほとんどの問題が、日本の占領時代にGHQが行ったものだと分かる。解放軍だの進駐軍だのと言う輩もいるようだが、要するにアメリカがやったのは、軍事的に占領し、植民地として自分たちが都合のよう…

『リングワールドふたたび』 ☆☆☆★原題は『The ringworld engineers』ということで、リングワールドの建造者たちの正体や意図、その機構が物語の主眼点となっている。 前作を読んだのは二十年くらい前だが、比較的大筋は覚えていた(基本、ワンアイデアものの…

『ヒノシオ号の冒険』石原藤夫☆☆☆☆★ 徳間文庫再読。いい感じに記憶が薄れていたので楽しく読めた。 作品ごとに独自の惑星の生態系や知性体が登場し、主人公の惑星調査員ヒノとシオダは、集めた情報から、事実を推理する。まさに本格SF/ミステリである。また…

綴じ込み小冊子によると「第4の壁」を破ったヒーローとして人気だ、というがウリだそうだが、日本人の我々からすれば、そんなの日本じゃ珍しくもなんともない。やっぱり日本のマンガは世界一ィィィ!と言いたくなる。確かに、コマ外の書き込みでも、ツッコミ…

『デューン 砂の惑星(2)』 ☆☆☆訳者あとがきにあるように、ようやく物語の結構が見えてきた感じ。 主人公は高貴な血を引く者であることが、母親自身の出自とともにわかる。 結局は貴首流離譚と陰謀渦巻く政局闘争という、まあありふれた物語なのだが……。 あ…

ダグラス・コナン&メッテ・ノルガード『リーダーの本当の仕事とは何か』「タッチポイント」 「「要求水準では妥協しないが、人々には思いやりを持って接する」」 『クトゥルフ少女戦隊(2)』山田正紀 ☆☆☆★山田正紀のSFは言語SFである。言語をテーマにして…

「ダークナイト リターンズ」と「ダークナイト ストライクス・アゲイン」合本と準備稿やラフなどを収録したもの。『ダークナイト リターンズ』☆☆☆☆ なんかディズニーの『Mr.インクレディブル』の父親のような頭身のバットマンは、一見、ギャグにしか見えない…

出口治明『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書 「ブレーイング・マネージャー」になってはいけない』「「権限は、一度与えたら、あとから取り戻すことはできない」 「職責上位者だからといって、オールマイティではない」 「上司は、部下の権限を代行…

『恋と禁忌の述語論理』 ☆☆☆☆カバーも含め、無理矢理ラノベ路線にしているような感じ。 論理ではなく、論理学(記号の数式のような論理式)使って、理詰めで推理する、というスタイルはストイックなのだが、そのぶん、年上女へのほのかな恋を抱き合わせて、…

岡田斗司夫や宇多丸師匠が絶賛、ということで読んでみた。 日本のマンガと同じ感覚で読んでみたらダメダメだったが、2回半ほど読んで、ようやく真価が分かった感じ。 要するに本格ミステリードラマ(犯人当てドラマ)として見ればいいのだ。 あちこちに伏線…

『コミケ殺人事件』 ☆☆☆★ 再読。意外だったが、メタ的構成は最後まで効いてこない。否定否定のどんでん返しはよくわからなかった。『○○○○○○○○殺人事件』☆☆☆☆前代未聞のタイトル当てだが、貫井徳郎の佳作『被害者は誰?』のバリエーションと言えなくもない。 …

『エネルギーとはなにか』ロジャー・G・ニュートン著/東辻千枝子訳 ☆☆☆ 講談社ブルーバックス「質量mの粒子をつくり出すためには、E=mc2の関係から、衝突の運動エネルギーが少なくともmc2だけ存在しなければならないからです。 当然ながら、より質量の…

『ジュピター』 ☆☆☆☆キーワード 舞台は『指輪物語』と『フィフス・エレメント』に『スター・ウォーズ』プリークェルを足した感じ。 冒頭の街の雰囲気は『マトリックス』 『スター・ウォーズ ファントム・メナス』からは王宮 『スター・ウォーズ シスの復讐』…