思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『軍神の血脈』高田崇史
☆☆☆☆★
講談社

ちょっとカバーが恰好良すぎる気もするが、それに負けず劣らずの内容。

特に『QED』シリーズと変える必要もない、高田史観だが、作中でも引用されている井沢流の逆説史観でもある。
それに則って『太平記』や楠木正成伝説を検証すれば、こういう結論になるのは同然とも言うべきで、眼目は、その根拠となる傍証である。そこから導かれる悲劇や皮肉な結論に関しては左右からいろいろな感想があるだろうが。高田版『永遠の0』とも言うべき秀作であり、同等の評判と売れ行きになってもおかしくない作品なのだが…。
歴史ミステリとしても、井沢元彦忠臣蔵』と同等、いや、歴史的真実と現代の事件との有機的繋がりまで含めればそれ以上の完成度の傑作と言うべきか。

「組織の団結力を高めようと思ったら、その方法は簡単だ。規律を緩めれば良い(略)面倒なルールや厳しい規律を持っている組織ほど、簡単に崩壊する。」