思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ダグラス・コナン&メッテ・ノルガード『リーダーの本当の仕事とは何か』

「タッチポイント」
「「要求水準では妥協しないが、人々には思いやりを持って接する」」


クトゥルフ少女戦隊(2)』山田正紀
☆☆☆★

山田正紀のSFは言語SFである。言語をテーマにしているものもあるが、単語からイメージされたビジョンを地の文で次々に展開していく手法は、言語SF以外の何者でもない。文系の発想とでも言おうか(SFとしてのテーマが文系、と言っているのではない)。
本作も映像化不可能な作品と言えるだろう。
あとがきにもあるように、『まどマギ』の影響が垣間見えるのも興味深い。また、すぐにシリーズが中断するのも自覚しているのが面白い。単純に飽きやすいのかと思っていたが、反響と売れ行きの問題も大きいらしい。考えてみれば当たり前か。
読みながら想起したのはあとがきでも触れている『最後の敵』のほかに『宝石泥棒』『』など。
いちおうのシリーズ開幕編なのだが、クトゥルフの影も形も登場しない。「門」に入ろうかというところでメンバーは現実世界に帰還する。なぜゴキブリを救わなければならないかも不明なまま。

テーマとしては、進化が死を収穫するためにクトゥルフがもたらしたもの、というのが面白い。単為生殖(分裂)では不死も同然だからだ。