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『恋と禁忌の述語論理』
☆☆☆☆

カバーも含め、無理矢理ラノベ路線にしているような感じ。
論理ではなく、論理学（記号の数式のような論理式）使って、理詰めで推理する、というスタイルはストイックなのだが、そのぶん、年上女へのほのかな恋を抱き合わせて、食いつきをよくしている感じが見え見え。
やっていることは京極堂シリーズと非常に近い。
本書は中篇３作プラスαの構成だが、そのどれもに別の名探偵が登場し、なおかつヒロインの安楽椅子探偵がそれをひっくり返す、という構成。どれだけ名探偵過剰なんだ！？　しかもその全てと知り合いといういち大学生って何者？？という設定がラノベ的。
また、無理矢理論理式を使っているような感じで、別にそれらを使わなくても同じ推理と真相を導き出すことはできる。単純に、作品の特徴としてだけそれらを使っているようにしか見えない。
とはいえ、一冊としての結構は考えられていて、損はさせない読後感。
しかし作者は男か女か、どっちだ？？