思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

GHQの日本洗脳』
☆☆☆☆★

本書を読めば、現在の日本が抱えるほとんどの問題が、日本の占領時代にGHQが行ったものだと分かる。解放軍だの進駐軍だのと言う輩もいるようだが、要するにアメリカがやったのは、軍事的に占領し、植民地として自分たちが都合のように作り替えただけのことで、大東亜戦争前に欧米人がアジアでやっていたことと大差ない。やってないのは民族虐殺・殲滅くらいなものだ。

「戦前までは、日本の畑は二毛作で、冬には必ず小麦の種を撒いていたのである。(略)戦前には「農林10号」という世界に誇れる小麦があり、それが「GHQ占領政策」の影響によって日本では栽培されなかった」

GHQが作った日本国憲法で、日本国民の財産を守る権利が保障されていたが、「旧地主の権利」は守られなかった。」

日教組の正史である「日教組十年史」によれば、日教組は「進駐軍GHQの後押しがあってこそ我が組織は誕生した」と、‘誕生の立役者’であることを公然と認めている。」

「米国共産党に入っていたコンデは、「わが青春に悔いなし」や「明日を創る人々」、「民衆の敵」など、必ず映画のなかに「インターナショナル」の大合唱を入れさせた。(略)「わが青春に悔いなし」は(略)黒澤明が、「題名とは逆に、大いに悔いあり」という皮肉を漏らしたほどである。」
この映画を観たとき、(当時は私も戦後教育の内容しか知らなかったが、それでも)これのどこが面白いのか?その後の他の黒澤映画とも違うなあ…と思ったものだが、そんな事情だったのか。

海上保安庁は、発足前からGHQ民政局からの強い反対を受けていた。そしてその装備と任務を厳しく制限されることを条件に創設を受け入れた。」

「米軍の広島への原爆調査団に関する指令文書は、「SCAPIN」には一枚すらない。」
ちなみに、これは「スキャッピン」と呼ぶらしいが、私的には侮蔑とドロンジョ風に「スカピン」と呼びたい。

「現行憲法下では仮に日本国内で18歳以上の国民投票が行われ、国民の過半数が賛成しても、憲法改正が即座に行われることはない。
実際には、国民投票後に改正の発議が三年も凍結される決まりになっている」

「日本国内でいまだに「戦時体制が悪い」と考える「40年体制理論」には、その現代史認識としてGHQによる戦後占領期が、「平和」な時代などではなく、「戦時下」であるという認識が欠けているのだ。」

GHQは、日本で走る車に対して、米軍と同じ「右側通行」を強く要求していた。
明治以来、日本国内では車も人も左側を通るのが規則であったが、(略)GHQとの交渉の結果(略)歩行者は米国と同じ「右側通行」に変えられ」