思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『リングワールドふたたび』
☆☆☆★

原題は『The ringworld engineers』ということで、リングワールドの建造者たちの正体や意図、その機構が物語の主眼点となっている。
前作を読んだのは二十年くらい前だが、比較的大筋は覚えていた(基本、ワンアイデアものの冒険ものなので、正体が分かれば、筋立てはシンプルだからか)。
本作では、前書きにあるように、前作発表あとにあちこちから指摘されたリングワールドの不安定性への解答としての、リングワールド工学が謎となって、前作同様の異境探検ものでまとめられている。
ただ、私の読解力と想像力の問題かもしれないが、いまいちどんなスペクタクルが起こっているのかイメージしづらいのが残念。特にクライマックス前後の「レーザー」や「ロウソク」は、ハードSFのセンス・オブ・ワンダーの真骨頂なだけに残念(作品が、ではなく私が?)。


『激マン!マジンガーZ編(2)』
☆☆☆

ノンフィクションの部分は十二分に面白いのだが、マンガ部分には大いに不満。
1巻ではまだ、作者の脳内イメージの具現化として捉えられたのだが、今回は連載開始どころか執筆すらしていないのに、『マジンガーZ』のストーリーが描かれているのだ。ここが主人公が描いたマンガを読者が共有していた前作『デビルマン編』と決定的に違う点。
時系列というかマンガ構成的にもおかしい。編集部に、「作者の周辺の描写だけだと飽きられる」とでも余計な口出しされたのかと勘ぐりたくなる。
おまけに、こちらは前作同様の問題だが、作中に登場するのが10式戦車などの、現代兵器なので、もう時代設定が時空を超えてメチャクチャになっている。
なお、アフロダイのデザインはアニメ版しか知らないが、シルエット以外は別物と言って過言ではないアレンジ。SICフィギュア版かと思ったが、そうでもないっぽいし…。そのデザインの凄さ(暴走っぷり)は、「ほと」までモロに描いてあるほど(^_^;)