思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エルム街の悪夢

☆☆☆★

有名すぎて観るまでもないシリーズ。『チャイルド・プレイ』なんかもそれ。
夢の中に出てくる殺人鬼フレディというのは知っていたが、想像していたのとはだいぶ違った。
まず、フレディは、夢の中とはいえ、現実とほぼ同じ場所に出現する。なんでもありにしてしまうと、主人公の友達(若すぎるジョニー・デップもいる!)たちも同じくフレディの夢を見るので、都合が悪いのかも。
かと言って、どこか呪われた屋敷に探検に行ったわけでもないので、突然にみんなフレディの夢を見るようになったのかは特に描かれない。やはり、本作を元にした『ジョジョ』の「夢のデス・サーティー」のほうが論理的に感じるなぁ。
いろいろと特撮が使われていて、その表現が80年代っぽいなぁと思いつつ、ベッドに引き込まれた後で、そこから大量の血が噴き出すとか、けっこう斬新な表現もあった。天井に引っ張られるのを、上下逆のセットで表現するアナログさ(^^;)
フレディが、夢であることの必然性というか、それを活かしたこうどをせず、まるでパラレルワールド的な、もうひとつの現実として、割と物理的ルールに縛られているのがもどかしかった。夢なんだから、物理攻撃を受け付けないとか、ワープできるとかして然るべきでしょ。
あと、デップの他には、父親の人は見たことある人(たぶんスター級?)だった。

以下ネタバレ

フレディの正体が、昔その土地で活躍した(?)連続殺人鬼で、主人公たちの訴えを周りの親たちが聞かないのは、それを恐れているから、というのはちょっとだけ設定の巧みさを感じた。
撃退方法が、現実の殺人鬼も同じ、ワイヤーとか燃やすとかなのは、夢の中という設定を活かしきれていない。好意的に考えれば、本作は続編ありきで考えられていて、本作では物理的な手段でフレディを殺せないと提示して、続編から、さまざまな退治方法をみせる長期計画だったのかもしれないが。
また、最初に主人公かと思われた少女が第一幕の終わりくらいでフレディに殺される構成には驚かされた。ボーイフレンドと寝たから殺された、というホラー映画のお約束にはきっちり沿っているのだが(^^;)