思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『スパイラル ソウ・オール・リセット』☆☆☆

『ソウ』シリーズは2作だけ視聴。『8』まで追っていない観客に対して分かりやすい邦題なのはありがたいが、ちょっと問題点もある。
1つ目にして最大の問題はウソであるところ。「オール・リセット」じゃないやん。作中で「ジグソウの模倣犯」と言っているので、舞台はアメリカの別の都市なのかもしれないが、少なくとも同じ世界観の世界の、時代的には後に作品である、つまりは舞台や犯人を一新した『9』であることに違いはない。
あと、そもそもタイトルなんてそんなものかもしれないが、「オール・リセット」なのは、メタ的な視点で、犯人はリセットしたいわけではないし。
『2』あたりでも出ていた問題だが、犯人の「ゲーム」に、説得力がないのは本作でも同様。ゲームとは言いつつ、完全に「無理ゲー」で、脱出はほぼ不可能か、瀕死の重症を負うディールばかりだ。特に、脊髄に針を刺して装置を止める、なんて見えないから死なない場所もわからないし、99.9%不可能だ。どの仕掛けも、現実にその時間に設置できるのかどうかもかなり怪しい。
刑事が主人公であることもあり、要するに、本作は主人公のいる警察官ばかり狙われる、ただのサイコ殺人鬼ものになっている(成り下がっている??)。
刑事ものとしては、余計な警察内の不和(主人公が疎まれているくせに、キャップに任命される)があったりして、犯人探しに専念できない。そんな状況のクセに。
犯人は、私は騙されてしまったが、ミステリー巧者には難易度は低いみたい。
映像的には、割とレベル高い感じだった。