思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ビリーバーズ


☆☆★

山本直樹原作マンガを、城定秀男監督が映画化したもの。どちらもエロに定評のあるので、相乗効果が期待できるが、私的には、マンガは未読なので、ジョジョ(城定秀男)映画というだけで観る気になったもの。
とある無人島で、新興宗教の修行をしている3人が主人公。それぞれ、いわゆるホーリーネームらしき、議長、副議長、オペレーターと呼び合っている。
カルト特有の珍妙な決まりや、精神が崩壊していく過程を楽しむのが本作の眼目。とは言え、展開は原作に忠実なようで、映画ならでは要素としては、俳優たちの熱演、就中、女優の体当たり濡れ場しかない(^^;) いや、観る前は新興宗教ものとして、こんなにもエロが全面に出てくるとは予想してなかったんだけど。特に効果音がシズル感を出している。リアルには、あんな音はしない、誇張演出であろうが。
若い2人が関係を持つのはいいが、教団内の格は上であり、なんか屁理屈をこねてはいるとはいえ(特に、射精後に噛みちぎれ、と自ら言ってるし)、中年のおっさんにまで何度も行為をあまり嫌がらずにやるのは、どうも理解できなかったなぁ……。原作ではそのへんの異常な精神状態にいたる過程が描かれているのだろうか?
終盤まではほとんど三人しか登場しなかったので、完全に超低予算のノリで観ていたら、クライマックスで教団の信者達が数十(セリフもないので、エキストラだとしても)も出てきたのには驚いた。
隔絶された状況、独自のルールと、ほぼSFとして観ていたし、そう観ることは充分妥当だと思う。たふん原作は知らないが、監督も、宗教とか信仰とか、どうでもいいと思ってると思う。「こういう状況におかれた人間がどう行動するか?」という、ある意味、即物的に脚本を構築した、というか。

以下ネタバレ

これも原作にあるそのままだろうが、国家権力が介入して、全滅しそうな状況で、組織の歌を演奏し続ける、というのは『タイタニック』のパクリだよなぁ……。作中においてそこまで歌に意味が与えられていないので、オマージュにもなっていないただのパクリだ。