思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

戦え! イクサー1

☆☆☆★

平野俊弘の監督デビュー作品であるOVA。また同時に垣野内成美の初作画監督作品かもしれない。まあ、メカ関係は大張正己とか、原画では北爪さんとか、現在も第一線で活躍するメンバーの名を見ることができる。
戦うために作られたイクサーと、人間の少女が、ともにロボに乗ることで大きな力を発揮するというのは、『エルガイム』では裏設定だったし、『ファイブスター物語』とどちらが先か? というアイデアだろう。
とにかく、美少女、巨大ロボ、モンスターなど、80年代オタク嗜好を詰め込んだが故に、作品の構造が歪むほどのエネルギーに溢れた作品。わずか3巻というのがもったいない。
モンスターも、描写じたいが『妖刀伝』とか『うろつき童子』みたいで、特に無数の細い触手の描写は、どう見ても色んな穴に入る前提(^^;) 触手の先は鋭い爪だけど。一話には、レズ的な描写もあったりと、ある意味では『ゼオライマー』の先を行っている(どっちが先をだっけ?)ところも。関係はないが、『イクサー1』『ゼオライマー』『ダンガイオー』は、三部作という感じ。まあ、AICのメカ美作品というくくりでは、3つともまさに同じ。
特撮もののパロディ的に、東宝超兵器(『マイティジャック』とか『惑星大戦争』みたいな)が毎回出てきたりとか。しかも、そのへんの作画が『プロジェクトA子』なみで、ガイナックスが絡んでるんじないかと調べたくらい。結果的に関わりは分からなかったけど。
唯一にして、最大の欠点というか、残念ポイントは、イクサーロボをはじめ、ロボが格好良くないこと。いちおう女性型ロボなのは分かるが、『エリアル』ほどまんま人間型でもないし、『ゼオライマー』ほど文字通り尖った形状でもないし。特に最終話は、完全に大張正己メカに描かれてので、格好良さげに見えたが。
垣野内成美さんの美少女は、平野キャラで、バトルものだけに、耽美さは控えめだが、やっぱり美しい。特に、クライマックスのイクサー1と2バトルが決着する時の、「静」の芝居、髪の毛がはらりと垂れる作画が素晴らしい!