思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

永遠の少女

☆☆★

30分の短編。河川敷を通った主人公の前を、病院の患者服を着てフラフラ歩く少女は、なんとか症候群という病気のため、見た目は子供(中高生?)だが、本当は29歳だという。
最初は放浪入院患者を見捨てておけない義侠心から保護した青年だが、そのうち少女から「好きになったからキスしていい?」と聞かれる。「空から落ちてきた少女もの」プラス「ハーレムもの」という、都合良すぎる展開。まあ、ここで少女には手を出さないのが紳士として潔いのだが。

以下ネタバレ

終盤に明かされるのが、この少女は自主制作くらいの映画の女優で、役作りのために、30才くらいの女性の仕草を観察して(といっても、髪を耳にかけるだけだけど)、そういうキャラを演じているだけだ、ということ。もちろん、少年には一切バラさないのだが。言ってしまえば、『御先祖様万々歳!』まんまである。テーマとしても『スカイクロラ』など、非常に押井守っぽい。
ラストには、本作の冒頭の場面が、映画のクランクインとして再び出てくるので、ある種のメタ趣向としてのおもしろさもあるが。
こういう小規模映画にありがちな演技の下手さは、少年のほうには感じたが、許容範囲内。