思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

地獄の黙示録

☆☆☆★

二十歳前後に観たが、全然楽しめなかった。退屈で暗い映画。ところが、見返して観ると、なんか重厚で、凄い映画のように思えて来た(^^;) たっぷりした「間」も、絵ぢからと、映画の世界にひたるために必要なのだと思えてくる。
絵画的というか、劇画的と言ってもいいくらい不自然に真っ黒い影を多用したことによる緊迫感とか。
ジャングルの奥地に行くにつれ、これまた不自然な赤い霧(スモークだろうねえ)と共に、これまた川辺や生活感のある場所に不自然に転がる多数の死体。あんな近くにあったら、腐敗臭や、ハエで困るだろうに。
ただ、音楽は超有名な『ワルキューレの騎行』以外は、シンセとか、歌ものとか、ちょっと違う気がした。
とは言え、家で観ても早送りさせない映画力はさすがコッポラ。でも、どこが凄いのか全然説明できないけど(^^;)
メカフェチ的には、序盤にヘリはあるが、戦闘ヘリじゃないし、中盤以降の舟は、プラスチック製か何かで、全然フェチシズムを刺激されなかった(タミヤのMMシリーズで出てたのはこれ??)。
フェチといえば、プレイガールとの濡れ場はあるのに、フランスの入植者たちの館に行った時は、ボスの妻がベッドのカーテンを下ろしたら、素っ裸になって出て行く、という、意味不明なサービスカットもある(ここは町山氏も解説してなかったなぁ)。

後で町山氏の解説を聞くと、トラブル続きの制作状況で、結果的にはだいぶ行き当たりばったりで撮影されたらしい。それでも、ここまでのものを作る監督としての剛腕ゆえか、当初のプランがこれのひと回り凄いものだったのか……。

以下ネタバレ

あまりドアップにはならないが、水牛の首にナタで切りつけて本当に殺すところとか、なかなか衝撃的。目を剥いている断末魔とか(´Д`)
ラストは、カーツ大佐を殺して、自分が酋長に祭り上げられる。この手のミイラ取りがミイラになる展開は、それこそこの喩えのとおり、有史以前からある(?)ので、本作が代表作なのかは不明。