思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

コード・レッド

☆☆☆★

バランス的にヘンな映画(^^;)
原題も同じで、ゾンビもの。
なのに、第二次大戦の独ソ戦スターリングラード攻防戦から始まる。とある建物にいる部隊の、周囲から迫るソ連軍部隊。一人また一人と銃弾に倒れていく。このあたりは、FPS視点とか、身体欠損描写(YouTube映画なのでモザイク処理されて見えなかったけど)完全に最近のミリタリー映画のノリ。ほとんど最後の一人になった主人公を、ゾンビが襲う。そこから、場面は一転し、現代の米軍。ここからの主人公は特殊部隊の大尉だか大佐だかで、単身、ブルガリア軍の、第二次大戦の遺産である武器庫に起きた異常を調査する任務に向かう。
ブルガリア軍って、またマイナーな(^^;)
そこの将軍は、武器の横流しが発覚するのを恐れて、武器庫ごと爆破したら、そこにあったゾンビ化薬品が撒き散らされて、パニックに、という話。
特殊部隊が潜入するきっかけとなるブルガリアでのゾンビを発見した黒人系女医と接触し、その娘と会っていたので、パニック後、シェルターにいた母が、はぐれた娘を探しに外に出る。外では、都合よく娘に会った主人公が、島から出るのと母に会うために行動する。一方、将軍は、ゾンビと、自分の失敗を封じ込めるために、島から誰一人出さないというコード・レッドを発令する(自分だけは例外として強引に外に出るという外道っぷり)。
現代パートでも、ラストとか、ちょいちょい変に凝ったモノクロ化とか、ストップモーションとかがあって、たんにその場で思いついたかっこよさげなことをぶち込んで、全体の統一性を損なっている気はする。
主人公のほうはともかく、女医の母娘には個人的に全然感情移入出来なかったので、映画の半分はしんどい感じだったかな。
ゾンビものとしては、『新感染』的というか、最高レベルにアクティブなタイプ。全速力で走ってくる割に、頭をぶち割らなくても倒せるという、攻撃力に特化したタイプ。
ミリオタ的には、ブルガリア軍の(?)装甲車が終盤の舞台(プチ・ロードムービー的な)になるので、そのへんが見どころ。『007 ゴールデンアイ』の戦車のオマージュか、という壁ぶち抜きや、車を踏み潰して前進する、派手な場面は見どころ。
最後の最後に、意外な展開があって、溜飲が下がる、すなわち評価は★くらい上がったかな。

以下ネタバレ

最終盤で、主人公がゾンビに噛まれて、女医が撃ち殺す(その場面は、音だけで、見せない)というらのは、意外ながら、まあよくある展開。
ラストシーンでは、ブルガリア軍が封鎖する橋で、なんとかたどり着いた母娘が、米軍の介入で、封鎖を解除されて、脱出に成功する。そこで、先述したストップモーション白黒になって、二人はぐれたのか、火炎放射器で焼かれているのが追ってきたゾンビなのか、女医なのかよか分からない。でも、ラストカットでは、こちらは脱出できた娘が、救急車の中でゾンビとして蘇る。最後の橋の上で「切られた切られた」と叫んでいたのだが、「(物に当たって、手を)切った」でもなく「噛まれた」でもないのがめちゃくちゃモヤモヤしていたのだが、このどんでん返しのためだったのかと、納得半分、なんやそれ半分。