思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

東京無国籍少女


☆☆★

押井守監督作品であり、音楽が川井憲次ではない、という以外、情報ほぼゼロで観た。予告編も観たことなかったし。
観ている間は、「超低予算の押井守映画にありがちか、全編ダレ場だけのダメダメ映画やん(´Д`)」と思っていた。ちょうど、雑誌「コミックリュウ」だか何かの付録DVDの『女立喰師パラスチナ編』みたいな。まるで、新人監督の作った「どう? このゆっくりした間が、芸術っぽいでしょ?」みたいな、うんざりする感じ。
物語は、とある女子校の校内だけで展開する。
主演の女優は、魅力ないとは言わないが、とても高校生には見えない。押井アニメではお馴染みの保健室の女医さんとして、初老のばあさんが出てくるが、主演の人はそっちにキャスティングして、主演はもっと若いアイドルとかにすれば良かったのに……。
劇伴は、いちおう音楽としてクレジットされているが、選曲ってことかな? どれも既存のクラシックだし。奏者?
ネタバレなしで言うのは難しいが、最期まで見ないと正しい評価はできない作品だが、最後まで観続けさせる気がないやろ!? という作りではある。

以下ネタバレ

本編を見終えてから予告編を観たのだが、予告編で盛大にネタバレしてるやん!?(^^;)
延々と続くダレ場、ラスト15分のハードな近接戦闘アクションのためのフリであったのだ。ただし、そこまでがあまりにも映画的な見どころが皆無すぎる。事件らしい事件が起こらないとか、画面がフィックスだとか、濱口竜介っぽい(それは逆で、濱口竜介押井守の影響を受けていて、なおかつ映画的に昇華しているのかな?)が、まったく観てられないのだ。
どうも、舞台は北方領土、しかもアリューシャン列島っぽいの。ラストのロシア軍とのせんとを匂わせるのは、主人公の体調不良の原因が、高校生のくせに「PTSD」だと語られることくらい。
後は、アクションシーン直前だが、モロに軍事用戦闘食パックを食べる。でも、最近の戦闘食、なかでも自衛隊のやつは美味しいんじゃないの? やたら不味そうに食べてたけど。
軍隊の近接戦闘術を演出したのは、坂本祐悟組でお馴染みの国松氏。確かになかなか迫力はあるが、どこか『実写版パトレイバー』のカーシャを連想させる。どうせなら、伊澤沙織さんを主演にして欲しかったなぁ。元の女優さんは女医役にすれば問題解決!