思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

パニック・マーケット

☆☆☆★

原題は『BAIL』。退避の意味で、空軍用語でいう「ベイルアウト」のベイルってことか。
YouTubeのプレシディオチャンネル。タイトルからはサメ映画感はないのだが、サムネ画像はサメ映画以外の何者でもない。
始まってみれば、ルック(撮影)はしっかりしていて、それは最後まで変わらない。
冒頭では、ライフセーバーの主人公の同僚で、恋人の兄でもある人物がサメに食われる。ここからすでに、ちゃんとサメに齧られて一部が欠けた身体をちゃんと(YouTubeでもぼかさず)映してくれる。特殊メイクも頑張ってるのだ。YouTubeの基準がよくわからんが、物が刺さってなければオッケーなの? それにしては『エンド・オブ・ウォッチ』の婦人警官は死んでたしなぁ。
数年後、近くのスーパーに来た主人公は、強盗の現場にでくわし、さらにそこへ震度4くらいに見える地震と、津波が襲ってくる。ここまで30分経っていない。なんか『インポッシブル』と似てる感じだが、実際にここの津波と、その被害を空撮で全景を見せるラストシーンはどちらも似ている。また、津波シーンは結構激しくて、引き潮からの早さと、津波の速さは、実際より誇張している気がする。津波にトラウマのある人は見ないような警告が必要だろう。ネタバレっちゃあるネタバレなのが微妙だが、原題ならともかく、この邦題とビジュアルなら、避けられないだろう(^^;)
メインとなる舞台は、陳列棚のある半地下と、さらに地下の駐車場。水を湛えたセットといっても、実質的にこの二箇所なので、そこまでの予算はなさそう。とは言え、先述の色んな屍体の特殊メイクや、サメのCGは結構頑張っているので、チャチさは全然感じない(劇場の大画面では分からないが)。室内でのサメというと、『ディープ・ブルー』を連想するが、それに負けないくらいは面白かった。人間どうしの確執とかもあるし。動かない「乗り物パニック」としてもよくできている。

以下ネタバレ

強盗という明確な悪人がいるので、脱出するまでの人間ドラマに幅が出ている。サメとの駆け引きも、音で注意を引くのは定番として、色んなものをエサにしたり、サメに噛まれないように、棚板を応急スーツにしたり、バラエティに富む。そのくせ、二匹のサメをやっつけた時には物悲しい曲をかけたりして、爽快感を出したいのか、テーマっぽいことを語りたいのか、よくわからん(^^;)
サメ映画の常というか、醍醐味として、人がひとりまたひとりと食われて行くのだが、その食われ方だけでなく、どこを食われたか、特殊メイクやCGを駆使して、死体が回転すると、身体が欠けていたりと、ショッキング演出も凝っている。
ラストシーンでは、スーパーから脱出した主人公たちが、津波で壊滅的な被害を受けた湾岸の全景を、カメラがどんどん上がっていくことで見せる。『インポッシブル』と同じもの。なんで、サメ映画でこんか無情なラストにするのか、よく分からん(^^;)