思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

キャメラを止めるな!


☆☆☆★

カメラを止めるな!』大ファンとしては、大きに気になる作品。『カメ止め』の大ヒットを受けて、フランスでリメイクが企画された。そこで起こったのは『カメ止め』と全く同じ出来事だった。という、時系列的には続編なんだけど、リメイクだから、結果的にタイムループみたいにも見えるという、奇妙な作品。
結論からいうと、『カメ止め』には及んでいないが、構造と脚本が強固に良くできているので、充分面白い。『カメ止め』が90点なら、本作は75点というところか。
良いところは、ルック。ヨーロッパ娯楽映画ならではのカラフルな色調。あとは、できるだけ忠実にリメイクしているところ。バリバリのフランス人が、日本人の名前を呼んでいるところが可笑しい。
『カメ止め』にいなかった、音楽担当がいること。これは確かに盲点だったかも。
あとは、最後のピラミッドが、高くなっていたこと。

減点要素。
尺が2時間あることからも分かるが、テンポが悪い。文化的な「フリとオチ」のための「間」の違いなのかもしれないが、比較することで、改めていかに『カメ止め』が、ムダを極限まで切り詰めていたのかが分かる。
特に撮影の舞台裏である第3部で本編映像が流れるのは、客をバカにしている(過剰に説明的)だと思う。いや、むしろこれが普通で、それすら削ぎ落とした『カメ止め』が英断なのだろう。特に普通の邦画ならなおさら説明過剰なのが普通なのに。
キャストの魅力は、やっぱり『カメ止め』が傑出している。俳優のキャラクターと、劇中の人物とのシンクロだ。フランス人が見たら違うのかも知れないが。