思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ジョナサン 2つの顔の男

☆☆☆

地味な感動系映画かと思ったら、違った。主演は『ベイビー・ドライバー』の人らしい。
多重人格もの。午前7時から午後7時までの人格ジョナサンと、夜の人格ジョン。2人は記憶を共有できないので、トラブルを避けるために寝る前にビデオメッセージで連絡を取り合っていた。
ジョンがルールを破ってガールフレンドを作ったのを咎めたことから、生活は崩れ始める。
ジョンからのビデオはストップし、ジョナサンのほうはジョンのガールフレンドに惹かれる、というか、性格は違えど同じ顔に逆らえなかったのか、彼女のほうから誘惑した感もある(^^;) このへんは、ハンサムということを除くと、女性観客からは賛否が別れるかも。
観ている間は『セブン・シスターズ』の変奏曲かな、と思ったが、今考えたら、『ジキルとハイド』だよなぁ。どちらが人生の主導権を握るか、という争いでもある。
後半には、彼の主治医の家で暮らすことになるが、この女医が、熟女というよりは老婆で、なんか気持ち悪いのがなぁ……。これは偏見じゃなくてらネタバレ欄で理由は書きます。
ネタバレなしで書けば、ラストは感動っぽくしてるけど、SFファンというか、ミステリファンからすると、設定的に無理がないか? と思わずにおれない。
なお、ジョナサンの職場で、彼を好きらしいインド系っぽい美しいロングヘアの女性がいて、ジョンも含めて四角関係とか、物語の主軸に絡んでくるのかと期待したのに、それっきりになったのが残念(´Д`)

以下ネタバレ

『ジキルとハイド』というのは、次第にジョナサンの昼の時間に、ジョンが侵食してくるから。
その一方でジョンは失恋に加えて、ジョナサンに元カノを取られた(振った後なので、掠奪じゃないけどね)ことで、鬱になり、自殺未遂もやらかす。
ジョナサンは、主治医の元に相談に行く頻度が増えるが、彼女はジョンの肩を持つ。作中で名言されないが、あきらかにジョンに患者どころか孫くらいの年齢差があるのに恋心を抱いているっぽいのだ。ちゃんと夫もいて、円滑な夫婦生活を送っているようなことろがまた気持ち悪い。
ラストは、次第に昼間にもジョンの時間がワンポイントで入ってくるようになり、ついに自殺するのかと思いきや、予想外の展開に。
乗っていた黒人のタクシー運転手に伝言を頼み、和解と感謝を伝えながら、ジョナサンが消えるのだ。これにはわけわからん、となった。
いちおう、昔は3つの人格があったが、主治医に消された、という、医学的にもSF的にも「そんな都合よくいくかぁー??」という前振りはあったのだが。