思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スーパーマン

☆☆☆★

「今更リチャード•ドナー監督&クリストファー•リーブ版なんて観て(厳密には、小学生時代に観ているので再見)も意味ないやん」と思っていたが、「ムービープラス」の副音声あり放送ということで、観たもの。
一番印象に残ったのが、スーパーマンの父親役の俳優が、スターだかなんだか知らないが、金の亡者のクソ野郎だ、ということ(^^;)
あとは、ジョン•ウィリアムスのメイン•テーマにのせたオープニング。これと対をなすようなエンディングと合わせて、これだけでも元は取れた、という感じの格好良さ。
副音声で知れて良かったのは、本作が大作としての画面と、実際に金がかかっているところと、クリストファー•リーブが内面もナイスガイであることだ。考えたら、性格設定は、情熱こそないものの、『ジョジョ』のジョナサンやその父に近いかも。あとは、中盤の、スーパーマンとヒロインがデートして別れて、振り返ってドアを開けるとクラーク•ケントが顔を出すのを、1カットでやっていること。なんと、前半はスクリーン•プロセスなんだとか。これは言われないと全く気づかない、凄い特撮カットだ。さらに、スーパーマンの守るべきものの中に「アメリカン・ウェイ」があるが、それは現在ではなくなっていること。字幕でもスルーされていた。考えたら、クラークはアメリカで育ったので、アメリカ人として、そう育っても、間違いではない。シリーズを重ねることで、全地球的な視点に移行すれば、彼の人格的な成長も描けるし。
あらすじは、みんな知ってるから省略していいよね(^^;)

以下ネタバレ

ラストの、逆上したスーパーマンが、掟を破って、地球の時間を巻き戻して恋人を助けるシーン。これはまじめに見れば、愛は奇跡を起こす、または常識的にはただのトンデモ展開なのだが、今回はたと気づいてしまった。
これ、一見、地球の時点を逆にして時間を巻き戻したように見えるが、ちゃんと科学的に考えれば、そうではないのだ。
だって、地球の衛星軌道上を超スピードで飛んだところで、それに引っ張られて地球に影響があるわけないやん。
これ、スーパーマンが光速以上の速度で地球の周囲を回ることで、スーパーマンだけが時間を遡っている、つまりタイムトラベルしているの、俯瞰視点から描いているのだ。ロバート•L•フォワード博士によれば、本当は無限に近い円柱である必要があるのだが、それの周りを光速に近い速さで回れば、それの重力と、超高速移動による相対論的な時間の遅れで、過去へタイムトラベルできるそうな。スーパーマンは、これの応用編をやってのけたのだ。
だって、百歩譲って、スーパーマンが地球の自転を止めた上で逆回転させたりしたら、『ザ・コア』以上の、地球規模の天変地異がおきるでしょ? ヘタしたら地球がバラバラになるかも。