消えたサンフランシスコ(下)
☆
いやはや……。予想できないツイストって、こういうことか……。
ネタバレなしで書くなら、わたしには、解説に書かれている「めっぽう面白い」とされている部分が全く面白く感じなかったり、ということだけは言える。
家庭崩壊の家族ドラマがみたい人だけにはおすすめできるかな。でもそれも、崩壊が進んで行くわけでもなく、元から崩壊しているからなぁ。
プチネタバレ
何しろ、本作のために広げられたSF的な風呂敷の、どれもが全くたたまれていないのだ。低予算映画にありがちな、そこを描く予算がないから、というのでもなく、『宇宙のランデヴー』のように、あまりにオーバーテクノロジーすぎて、何が起こっているのか理解できない、というのでもない。そもそも説明する気がないのだ。このへんの、SFファンをバカにしたようなセンスは、日本の作家で挙げれば、筒井康隆とか奥泉光に通じるものがあるかもしれない。
本格的なネタバレ
本作では、アリオン人の正体も、目的も、サンフランシスコだけを時空的に切り離す、まるでドラえもんのお座敷釣り堀をトラックの荷台において走り出すようなことが可能なSF/科学的理屈も、まるで説明されない。
じゃあ、『漂流教室』的なシチュエーションを設定した意味ないやん?!
ただ、現代のサンフランシスコから脱出するはなしでよくない?