思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

刑事コロンボ ロンドンの傘』
☆☆☆★
番外編というか特別編というか、ロンドンに視察に行って事件を解決する。
犯人はイギリスならではの、シェークスピア俳優カップル。
コロンボが証拠を傘に弾き入れるのがポイントなのか?
あとはコロンボのロンドンでミーハー観光するシーンが多いのが楽しい人もいるのか?なんか『ミスタービーン』映画版みたいな感じ?
犯人逮捕後もそんなシーンが入るので、ラストの切れも悪い。
何より(?)吹き替えの小池さんの声が晩年なのか、しんどくて心苦しかった。


『犯罪乱歩幻想』三津田信三
☆☆☆★
角川書店
なにか小林泰三っぽいテイストの乱歩オマージュ短編集。
『屋根裏の同居者』☆☆☆
さんざんオマージュネタにされてきた名作。まとまり過ぎて、こぢんまりした感じ。
『赤過ぎる部屋』☆☆☆★
既読かな?ホラーな作中作と、リアルタイムのホラーがうまく融合しているという構成そのものがミステリーしていて良い。
『G坂の殺人事件』☆☆☆★
タイトルこそ『D阪』オマージュだが、中身はド本格。特に連作として読んでいると、「なるほど今回はこう来たか」と唸らされる。
夢遊病者の手』☆☆☆★
ホラー・サスペンス。夢遊病というモチーフは、二重人格や催眠術と並んでなんでもありになりがち。本作では、犯罪方法だけでなく、周辺にもトリックを仕掛けてある(夢遊病ネタだけでは弱い、という自覚からか?)。
『魔鏡と旅する男』☆☆★
ホラー・ミステリー。単なるホラーかと思わせて、最後に謎の提出と解決をいっぺんに行っている。
『骸骨坊主の話』☆☆☆★
隙間にいる人間というビジュアルがいかにもJホラー的。おまけに、本作は正々堂々たる『リング』トリビュートなので、伝染、井戸というモチーフを巧く伝奇怪異譚として処理している。
『影が来る』☆☆☆★
ドッペルゲンガーものも、オリジナリティを出すのが難しい、手垢のついたモチーフ。本作では、分身が、自分の深層心理の願望を実行した、というのが面白い。