思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ランペイジ』

☆☆☆☆

これ、キングコング対バラゴン対バランやなぁ……。そして全体は『ゴジラVSメガギラス』みたいな手塚昌明っぽい熱血バランスでまとめている。テレビCMを観た時は、クライマックスだけをまとめたのかと思いきや、結構中盤の場面だった。悪者が怪獣にころされてからも、結構続くのだ。
ドゥエイン・ジョンソンがまた、『コマンドー』とかのシュワちゃんばりにセリフもアクションもハチャメチャ(ムチャクチャ?)で、バカ映画として楽しい。キングコングもの(?)として、元々動物園のゴリラと手話でコミュニケーションが取れていた、というのもうまい。ただ、実はこれ、『フランケンシュタイン対バラゴン』『サンダ対ガイラ』と全く同じ構図。怪獣のサイズもそれとほぼ同じで、人間と同じフレームに収めるには丁度良い巨大さなのだ。いろいろまとめると、本作は、その二作のフランケンシュタインシリーズの、ハリウッド版リメイクと言っても過言ではあるまい。
怪獣映画としては、ちょっとコングとオオカミの動きが軽く、空撮が多すぎて、もっとアオリで見せたらいいのに……という気もしなくはなかったが。真のラスボスだったワニが、正にリメイク版アンギラスそのもので、コングならではの空中殺法と相まって、燃えるラストバトルになっている。
人間ドラマとしては、捕まえに来たFBIの男が、中盤以降、ジョンソンに協力するのだが、吹き替えを若本規夫がやっているので、どう聞いても胡散臭い、最後には逮捕しそうにしか思えない。これはミスキャストか、ディレクション力不足でしょ?(´Д`)