思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ブラック・クランズマン

☆☆☆★

良く言われる、トランプなんか裸足で逃げ出す白人至上主義の団体、K K Kをテーマにした映画。
なんと、そこに黒人警官が潜入捜査する? という触れ込みの作品。
だが、それはフェイクであり、内容は黒人警官が電話で信用させ、潜入するのはユダヤ系のアダム・ドライバー
町山氏の解説が参考になったが、本作は事実に基づいた物語のようなふりをしてはいるが、はじめての黒人警官がいた、ということと、K K Kという団体があった、ということ以外はほぼフィクション。
本作は、要するに上記の設定が変わっているだけのスパイものである。
クライマックスで、爆弾テロからガールフレンドを守ろうとして、白人警官にボコられるとか、お約束的な山場もあり、本筋じたいは、まあまあ面白いとは言える。ただ、やはり黒人讃歌はかなり強めだ。
冒頭の、プロパガンダ映像の撮影シーンとか、エピローグのニュース映像とか、政治的主張をナマでぶち込むというのはスマートとは言えない。
左翼的政治思想だからアカデミー監督賞になったが、これが右翼だったら絶対箸にも棒にもかかってないと思う。