思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

エターナル・フレイム

☆☆☆★

あとがきを読むまで、「何かヘンだなぁ」と思いつつ読んでいたが、本巻の登場人物たちは、全身巻の孫かひ孫にあたる。ただし、やってることは同じなので、別に変える必要なかったと思うのだが……。ハードSF的に、この後の3部作完結編に起こるイベントや、そもそもの目的達成のための旅程として、数世代ぶんの年月が必要だったっけ? 未だに本シリーズの目的をはっきり理解していない(^^;) 普通は、各巻であらすじなど、あらためて説明してくれるもんだけど、それすらないし。何か『妖星ゴラス』的な、デカいものが衝突するのを回避するためだったっけ?
SFとして、本作に描かれるプロットは2つ。1つは我々の宇宙とは異なる物理法則で構成された宇宙の物理学を発見する科学史。もう一つは、宇宙船内の食糧問題から来る、アメーバ生物的な主人公たちの生殖制御・管理・改造だ。
特に後者については、この巻まで読了した範囲では、全く不要なものに見える。もちろん、同じハードSFの名作『竜の卵』へのオマージュもいくぶん含まれていることはあるのだろうが。最終巻では、主人公たちの宇宙船ひいては母星の運命とリンクするんだろうか?
本編のメインは、主人公の科学者が、我々の宇宙のものとは異なる相対性理論と、量子物理学を発見する過程。
その根拠となる図や式が、小説としては異例な量で、詳細に挿入されるのだが、悲しいかな、よくわからん(^^;) なんとなくこれまでに読んだ数学、物理の本に出てきた図が想起されるていど。そう、本作は、最低限、高校レベルの物理、できれば量子論についての一般科学書を完全に理解していることが、本作を楽しむ前提条件、という、なかなかハードルの高いSFなのだ。そうでないと、本作で議論されていることはさっぱりわからないだろう。私ていどの科学知識で、ようやく本作で描かれているのが、上述の「相対性理論量子論の発見」